「闇は光の母」谷川俊太郎

 闇は光の母 / 谷川俊太郎


闇がなければ光はなかった
闇は光の母      

光がなければ眼はなかった
眼は光の子ども

眼に見えるものが隠している
眼に見えぬもの

人間は母の胎内の闇から生まれ
ふるさとの闇へと帰ってゆく

つかの間の光によって
世界の限りない美しさを知り

こころとからだにひそむ宇宙を
眼が休む夜に夢見る

いつ始まったのか私たちは
誰が始めたのかすべてを

その謎に迫ろうとして眼は
見えぬものを見るすべを探る

ダークマター
眼に見えず耳に聞こえず

しかもずっしりと伝わってくる
重々しい気配のようなもの

そこから今もなお
生まれ続けているものがある

闇は無ではない
闇は私たちを愛している

光を孕み光を育む闇の
その愛を恐れてはならない

卒業生代表のことば / 遠野未咲

卒業生代表のことば / 遠野未咲(広瀬すず)
( 映画 「ラストレター」監督・岩井俊二 より抜粋 )


卒業生代表のことば

本日私達は、卒業の日を迎えました。高校時代は、私達にとっておそらく生涯忘れがたいかけがえのない思い出になることでしょう。

将来の夢は、目標はと問われたら、私自身まだ何もわかりません。でもそれでも良いと思います。私達の未来には無限の可能性があり、数え切れないほどの人生の選択肢があると思います。ここにいる卒業生一人ひとりが、いままでもそしてこれからも他の誰とも違う人生を歩むのです。

夢を叶える人もいるでしょう。叶えきれない人もいるでしょう。辛いことがあった時、生きているのが苦しくなった時、きっと私達は幾度もこの場所を思い出すのでしょう。

自分の夢や可能性がまだ無限に思えたこの場所を、お互いが等しく尊く輝いていたこの場所を。


卒業生代表 遠野未咲