「大声を出して戦うのは」エミリー・ディキンソン

大声を出して戦うのはとても勇ましい

でももっと勇ましいのは

胸の中に苦痛を収めて

突撃する騎兵隊の人だと私にはわかっている


誰が勝とうが、国々は見ていない

誰が倒れようが、誰も気づかない

その死にゆく瞳を、どの国も

愛国の情で見守ってなどいない


羽毛飾りを付けた天使たちが

彼らのためには行進するだろうことを私は信じている

隊列を組み、足並みさえそろえて

雪の制服をまとって

「空はいま、屋根の上に」ポール・ヴェルレーヌ


空はいま、屋根の上に、あんなに青く、あんなに静か!

一本の樹が、屋根の上で枝葉をゆすっている。

鐘の音が あそこに見える空の中で やすらかに鳴りわたる。

あそこに見える樹の上で 一羽の鳥が嘆きの歌をうたっている。

ああ 神さま、神さま、人生はあそこに 素朴に 物静かに。

あの和やかなざわめきは街のほうからやってくる。

どうしてしまったのか、そこにそうして きりもなく泣いているお前は、

ねえ、どうしてしまった、いったいお前は

おまえの若い日を。