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「海が好きだったら」 寺山修司

水になにを書きのこすことが
できるだろうか
たぶんなにを書いても
すぐに消えてしまうことだろう

だが
私は水に書く詩人である
私は水に愛を書く

たとえ
水に書いた詩が消えてしまっても
海に来るたびに
愛を思い出せるように





「みじかい恋の長い唄 」 寺山修司



この世で一番みじかい愛の詩は

「愛」

と一字書くだけです

この世で一番ながい愛の詩は

同じ字を百万回書くことです

書き終らないうちに年老いてしまったとしても

それは詩のせいじゃありません

人生はいつでも

詩より少しみじかいのですから





「肩」寺山修二



肩は男の丘である
その彼方には過去の異郷がある

肩は男の防波堤である
いくたびも人生に船を見送った

肩は男の翼である
ひろげてももう飛ぶことはできない

肩は男の詩である
さびしいときにも定型を保っている

肩は男の酒場である
いつも誰かの手が憩う

肩は男の水平線である
だが もう鳥などは発たすな!

さらば 友よ