おすすめの詩 - 全文 -
「空はいま、屋根の上に」ポール・ヴェルレーヌ
空はいま、屋根の上に、あんなに青く、あんなに静か!
一本の樹が、屋根の上で枝葉をゆすっている。
鐘の音が あそこに見える空の中で やすらかに鳴りわたる。
あそこに見える樹の上で 一羽の鳥が嘆きの歌をうたっている。
ああ 神さま、神さま、人生はあそこに 素朴に 物静かに。
あの和やかなざわめきは街のほうからやってくる。
どうしてしまったのか、そこにそうして きりもなく泣いているお前は、
ねえ、どうしてしまった、いったいお前は
おまえの若い日を。
「朝のリレー」谷川俊太郎
カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
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