「みじかい恋の長い唄 」 寺山修司



この世で一番みじかい愛の詩は

「愛」

と一字書くだけです

この世で一番ながい愛の詩は

同じ字を百万回書くことです

書き終らないうちに年老いてしまったとしても

それは詩のせいじゃありません

人生はいつでも

詩より少しみじかいのですから





「詩の好きな人もいる」ヴィスワヴァ・シンボルスカ(Wisława Szymborska)


何人かの人々が――
つまりすべてではない
大多数ではなく少数の人々
詩を必須科目の一つとして学ばなくてはならない学生時代は別として
詩人もまた数には入れられないのだが
詩を好きだというのは 多分千人に二人位のもの

詩を好きな人々――
しかしマカロニ入りの鶏がらスープだって好きだろうし
お世辞をいったりいわれたり ありふれたブルーの色も好き
使いふるしたマフラーも
自己主張が強かったり
犬を撫でるのなんかも好きだ

詩とは――
ただ詩とは何なのか
この問いに対し
すでに多くの納得のいかない答がなされてきた
だが、私は依然として解答を出すことができず
それが救いの手すりででもあるかのように
ずっと握りしめている